いま考えること、将来を想像すること

現代地方譚5「想像の葦」

 

 

現代地方譚5 -想像の葦- 概要

 

すさき芸術のまちづくり実行委員会は高知県須崎市の旧中心市街地を会場とする展覧会「現代地方譚5 -想像の葦-」を開催します。 2014年から続く「現代地方譚」は県外美術作家によるアーティスト・イン・レジデンスと成果発表展示のほか、高知在住美術家による交流展、演劇公演、音楽公演で構成されるジャンルを跨いだアートコンプレックスプログラムです。 2017年秋-冬にかけて美術、演劇の分野の各アーティスト達が須崎を訪れ、リサーチと聞き取りを行いました。本展では須崎での交流を通じて生まれた作品が展示、上演されます。

 

開催趣旨

須崎市を流れる新荘川は、日本に残された数少ない清流の一つとして知られ、シーズンともなれば天然の鮎や川海苔の漁場として、また子供たちの川遊びの場として私たちに自然の恵みを与えてくれています。しかし、昔をよく知る方に聞けば、この川も河岸や道路、田畑の整備といった「開発」のために、その景観や生態系は驚くほどに変化を遂げてしまったそうです。河岸はコンクリートで塗り固められ、かつて水面にあふれていたはずの生命の豊かさはずいぶんと影を潜めてしまった。 「開発」は、私たちの生活に確かに大きな安定をもたらしてくれたのだと思います。けれど、そのために、私たちは取り返すことができない程の大きな代償を同時に支払っているのかもしれません。  「人間は考える葦である」。これは、フランスの思想家、パスカルの言葉です。葦は、どんなに強い風も洪水もしなやかにやり過ごし、ひとときが過ぎれば何事もなかったように、またそこにいます。パスカルは、そんな葦の姿を、かよわい存在ながらいつまでも思索を続ける人間の姿にたとえたそうです。 私たちは、ひとりひとりがもっともっと「考える」べき時代を迎えているのではないかと思います。開発だけでなく、来たるべき災害やこれから先も続く社会情勢や構造の変化の中、この街や地域や国の何を未来に、どうやって継いでいくことができるのか。そのことを真剣に考えるべき時がきているのではないかと思います。 展覧会、演劇公演、音楽ライブなどからなる「現代地方譚5」では、須崎のシンボルともいえる新荘川の川辺に生い茂る《葦》を、私たち自身を取り巻く環境や須崎の街の栄枯盛衰の“写し鏡”として捉え、その将来、そして私たち自らが刈り取ってしまった《葦》、また、これから育ててゆく《葦》の価値について考え、問い直していくきっかけにしたいと思っています。

 

アーティスト・イン・レジデンス須崎について

アーティスト・イン・レジデンス(AIR)とは、芸術家が須崎市に一定期間滞在し、住民との交流、地域資源の活用に取り組みながら作品制作を行い、その成果を展示・発表するアートプロジェクトです。地方部では日頃は触れる機会の少ない今日的な芸術表現を、作品の生まれる現場に立会ったり、作家との交流を通じて理解し、楽しみながら地域課題の解決の糸口を探ります。 須崎市の旧中心市街地はかつては商業の集積地として賑わいを見せていましたが、少子化高齢化が進み、消費・流通の構造が変化する中でシャッターを下ろす店が増え、現在は人通りもまばらな商店街になってしまいました。私たちは地域再生の手段として、以前の商業的な賑わいによる復興を目指すだけではなく、文化的な豊かさを育むことで地域に新しい価値を生み、素通りされないような街にしていきたいと考えています。AIR須崎はそうした試みの1つとして2014年に始まりました。 これまで、30名以上のアーティストがこの地域に滞在し、地域住民との交流を深めてきました。アーティストの滞在拠点や展示会場として、街に点在する空建物を活用することで、展示を観るために街を回遊する人の流れも生まれました。活用した物件に入居が決まる事例も出ています。アーティストのユニークな活動を目の当たりにすることで街に活気が生まれ始めています。  

 

レジデンス期 201710月~12 ・須崎に美術作家が滞在、リサーチ・制作活動を行います。

・演劇制作プロジェクト:劇作家が須崎に暮らす人々を取材し「まちの記憶」をもとに戯曲を創作します。 10/28(土)演劇ワークショップを開催。於:須崎市民文化会館

パフォーマンス期2018119日~218日 および3月3日 ・レジデンス作家や県内作家による展覧会、音楽ライブ、演劇、カフェ・物販、まちあるきなどの開催期間

オープニングの19日にはレセプション地方譚バルが開催されます。 演劇公演1/27(土)、1/28(日)於:須崎市民文化会館

 

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