一般的な映画の枠に収まらないようなアート性の高い映画や実験的な映像表現の試みを行う個人制作の映画作品を高知県内の様々な地域で上映し、そんな映像表現の多様性を味わおうという趣旨の映画祭 「KOCHI ADATAN film Festival -高知あだたん映画祭-」
7月23日から始まった 須崎市編はいよいよこの週末で終了します。
最終日31日はすさきまちかどギャラリーでの上映作品「あなたはそこでなんて言ったの?」の池添俊監督にご登壇いただき、トークイベントを開催いたします。
当作品は新型コロナウイルス感染症の拡大により、不要不急の外出を避けるようにとアナウンスがされるようになり、また日本に於いても最初の緊急事態宣言が発出された2020年から2021年にかけて制作されました。
町からは人々が姿を消し、 映画館も美術館も閉鎖されるなど、パンデミックで一変した日常の中で作者は余儀なく待機するしかなかった自宅からの徒歩圏内で8㎜フィルムを回し、日々を見つめ、それでも変わらぬ他者との関係を沈思し、内なる声に耳を傾けています。
ドキュメンタリーでありながら幻想的でもある映像と、個人制作の映画ではめずらしい、こだわりの5.1chの音声効果、そして三浦邸の和室での鑑賞体験はこの機会でなければ得られないものです。是非他の2作品と共にご覧いただき、監督と対話していただければと思います。
池添俊監督トークは7月31日(日) 3回目の上映の後、15:10~15:40に行います。聞き手に高知県立美術館 学芸員の塚本麻莉さんをお招きしています。鋭いツッコミも期待できますね。そしてトーク終了後に最終回の上映を予定しています。
映画の後にトークを聴いても、トークの後に映画を観てもOK! 一度観た後にトークを聴いてまた観たら、もしかしたら違ったみえ方になるかもしれません。
「KOCHI ADATAN film Festival -高知あだたん映画祭-」in 須崎市
7月23日(土)~7月31日(日)9:00~17:00
【第2会場】すさき まちかどギャラリー/旧三浦邸
入場料 一般300円/小学生以下無料(7/23(土)か24(日)の須崎市立市民文化会館の上映会入場券持参の方は、会期中1回限り入場無料)
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は入場無料。
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■ "吉開菜央作品" ループ上映
「Grand Bouquet」(2018年/14分/デジタルファイル)
「風にのるはなし」(2018年/9分/デジタルファイル)
■ "3人の若手監督"
【上映時刻】10:20-/12:00-/13:40-/15:20-(7/31の最終回上映はトークイベントの後に行います。)
「あなたはそこでなんて言ったの?」
(2021年/20分/デジタルファイル)
監督:池添俊
2020年3月28日「不要不急の外出を控えて」と都知事は言い、予定していた撮影は中止になった。その翌日季節外れの雪は降り、数日で跡形もなくなった。2年前に眠りについた母はまだ夢から覚めることはない。隣の中国人は今夜も夢を見て叫んでいる。部屋が宇宙の中心となり、一緒に住んでいる彼女とは喧嘩が増えた。わたしはカメラをまわして聞こえてくる音に耳をすませた。遠いあなたと、近いあなたが発した言葉。あなたはそこでなんて言ったの。
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「太陽にてらされて」
(2016年/28分/デジタルファイル)
監督:甫木元空
始まりをしった男が、終わりを知る。
1日が始まり、終わる。
そして、太陽に照らされるままに、また1日が始まる。
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「ほったまるびより」
(2015年/37分/デジタルファイル)
監督:吉開菜央
人間から人格を剝ぎ取って、肉そのもの、タンパク質を愛することに挑む、言語を超越したラブストーリー。
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■7月31日(日)
15:10~15:40 池添俊トーク 聞き手:塚本麻莉(高知県立美術館 学芸員)
【池添俊(いけぞえしゅん) プロフィール】
1988年、香川県生まれ、大阪府出身。個人の声や記憶を収集し、普遍的な声へと再構成するスタイルで制作している。パンデミック下の生活で内なる声に耳を傾けた『あなたはそこでなんて言ったの? 』(2021)が第59回ニューヨーク映画祭、第38回ベルフォール映画祭などから正式招待される。
https://www.shunikezoe.com
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【甫木元空(ほきもとそら) プロフィール】
1992年、埼玉県生まれ、高知県四万十町在住。2016年青山真治・仙頭武則共同プロデュース「はるねこ」で監督・脚本・音楽を務め、全国劇場公開される。第46回ロッテルダム国際映画祭コンペティション部門など、イタリア、ニューヨークなど複数の映画祭に招待された。2019年にはバンド「Bialystocks」を結成。映画による表現をベースに、音楽制作などジャンルにとらわれない横断的な活動を続ける。
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【吉開菜央(よしがいなお)プロフィール】
1987年生まれ。映画作家・振付家・ダンサー。日本女子体育大学卒業、東京藝術大学大学院映像研究科修了。作品は国内外の映画祭で上映、展示されており、MVの演出なども行なう。主な監督作に『Grand Bouquet』(カンヌ国際映画祭監督週間2019正式招待)、『ほったまるびより』など。
このブログを書いた人
- 千葉県出身。美術を専門に学んだのち、ドイツに渡り、研鑽を重ねアーティストとして活動。国内外の展覧会に参加。帰国後、美術教員を経て地域おこし協力隊として須崎市に移住。経験を活かし、まちかどギャラリー運営のサポートに当たる。協力隊任期が終了後、引き続きまちかどギャラリー館長として企画・運営に従事。アートプロジェクト「現代地方譚 アーティスト・イン・レジデンス須崎」のディレクターを務める。
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