現代地方譚13に参加されている作家さんをご紹介します。
阪上洋光さんは、大阪を拠点とする劇団いちびり一家
(コロナ禍で劇団としての活動に制約が生じた2020年からはいちびり一家□(すぺーす)と改名し活動の形態を模索中)
を主宰しています。
2022年度から2025年度まで連続して現代地方譚に参加されています。
阪上さんは「須崎市民劇」の実現に向け、4期にわたる長期のリサーチを行ない、
住民らに対して多様な演劇の在りようを実践して示し、交流を重ねてきました。
3期目の2025年、須崎市立安和小学校で授業を行い、
自身のキャリアや演劇によって成しとげたいことを児童の前で語る機会を得ました。
授業後に自分たちも演劇をやってみたいと駆け寄り、
昇降口まで阪上さんを見送る児童たちから聞いた児童らの活動「ジンデ池の環境保全活動」
に阪上さんは関心を持ちます。
市民劇の題材として当初、自然と人間の対立を水の精と騎士の悲恋として詩的に描いた名作「オンディーヌ」
を下敷きに、そのプロットを須崎にあてはめ、描き出すことを想定していましたが、
壮大な悲劇より彼らの小さな活動が成功する物語の方が須崎にふさわしいのだと思うようになりました。
そして今回の滞在では実際にジンデ池を訪ね、
地域の方々に聴き取りをし、この草稿が生まれました。
今後は小学校児童や地域住民が出演する市民劇の完成を目指します。
阪上さんがおっしゃる「演劇的な何か」とは、
まさに安和小学校の子供たちが「自分たちもやってみたい!」と駆け寄ってきた、
あの瞬間の衝動そのものだったのかもしれません。
4年という歳月をかけて、単なる「公演」だけではなく「交流の積み重ね」を行ってきたからこそ、
ジンデ池という具体的な題材に出会い、「須崎にふさわしい物語」へと昇華されたのかもしれません。
即興劇のための草稿「ジンデ池の金の小野君と銀の小野君」は、
すさきまちかどギャラリーホール、モニターにて展示中です。

そのほか、「須崎市民劇」の実現に向け、4期にわたる長期のリサーチの模様、
須崎市立安和小学校の「ジンデ池プロジェクト」についての展示をおこなっております。
そちらもあわせてご覧ください。
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