68年前のこの日、マーシャル諸島ビキニ環礁でアメリカ合衆国による水爆実験が行われ、周辺で操業していた多くの漁船乗組員が被ばくする事件が起こりました。

 

その中に高知の漁師たちが多数含まれていたこと、彼らの被害の実情については様々な理由から近年まで語られることはありませんでした。昨年すさきまちかどギャラリーで個展「その次の季節」を開催した映画作家の甫木元空は当事者たちが高齢化していく中、朧げになってゆく記憶を留め、彼らの歴史を受け継ごうと取材を重ね、映像インスタレーション作品とし発表し、また書籍を刊行しています。

 

 

 

 

国家同士の力のせめぎあいによって、あるいは自然災害や事故によって世界は幾度となく「核」による危機に直面し、実際に多くの尊い人命が失われたり、健康な生活が脅かされたにもかかわらず、今また始まった紛争では、再び核武力を背景にした脅威が示されています。

大局を語るなかでともすると見過ごされてしまう、その渦中に生きる人それぞれの人生に共感することを私たちは忘れてはならないのではないでしょうか。

 

 

甫木元空さんの著作「その次の季節 高知県被爆者の肖像」は全国の書店で取り扱っています。まちかどギャラリーでご覧いただく事もできますので、ぜひお問い合わせください。

 

https://tat-pub.stores.jp/items/61a73838ecd0573458555a57

 

 

 

このブログを書いた人

川鍋 達
千葉県出身。美術を専門に学んだのち、ドイツに渡り、研鑽を重ねアーティストとして活動。国内外の展覧会に参加。帰国後、美術教員を経て地域おこし協力隊として須崎市に移住。経験を活かし、まちかどギャラリー運営のサポートに当たる。協力隊任期が終了後、引き続きまちかどギャラリー館長として企画・運営に従事。アートプロジェクト「現代地方譚 アーティスト・イン・レジデンス須崎」のディレクターを務める。