今年で築造160周年を迎えた幕末の史跡「土佐藩砲台跡」(西砲台跡)の展示会を開催いたします。
幕末期には、外国船の来航に備えて全国沿岸に多数の砲台(台場)が築かれました。須崎市中町に所在する「土佐藩砲台跡」もそのひとつです。この砲台は文久3（1863）年に土佐藩が須崎湾防備のため築造したもので、今日まで当時の石積みや土塁が残されています。
幕末期に全国に造られた砲台は、明治維新以降にその多くが廃されており、遺構が当時の様相を留めて現存する須崎の「土佐藩砲台跡」は大変貴重な存在となっています。
本展示では、砲台について関連する絵図・古文書・古写真を紹介し、その歴史や構造・機能について解説します。また、実際に砲台で使用された球形砲弾の実物展示も行います。
砲台の歴史のほかに、慶応3( 1867)年の英国軍艦須崎入港事件や須崎を訪れた坂本龍馬、板垣退助、佐々木高行といった幕末土佐の著名人についても解説します。
球形実体弾 直径15㎝ 重さ13.5㎏（須崎市教育委員会蔵）
【展示構成】
第1章 相次ぐ外国船の来航と砲台築造
19世紀初頭、日本近海にロシアやイギリス船の来航が相次ぐようになりました。幕府や土佐藩を含む沿岸諸藩は海岸要所に大砲や砲台の設置をはじめます。当時の砲台・大砲は在来の兵法に基づいて設計されました。そういった「和流」の砲台・大砲について解説します。
また、1840年以降になると、西洋式の砲術・大砲が伝わり、土佐藩にも導入されます。本章では西洋式大砲の砲種や用途についても解説します。
第2章 須崎砲台の建設
文久期には、国内から外国勢力を追い出すことを主張する攘夷派の勢いが増し、これに押された幕府は文久3年4月、来る5月10日を以て攘夷を決行することを朝廷に奉じます。
すぐにも戦争が始まるかもしれない、ということで全国的に砲台の新築・改修ラッシュが始まりました。それは、長大な海岸線を有する土佐藩も例外ではなく、要港である「須崎浦」にも砲台築造が始まります。
第3章 須崎の人々と砲台跡
須崎砲台は幸いにも実戦で使用されず、軍事施設としての役目を終えました。本章では明治以降の砲台跡と須崎の人々の関りを古写真で振り返ります。
第4章 慶応3年 イギリス軍艦の須崎入港
幕末の慶応3（1867)年8月、幕府の軍艦回天丸と薩摩船三国丸が須崎に入港しました。そのすぐあと、イギリスの軍艦バジリスクも須崎にやってきます。本章では、なぜ、イギリス艦は須崎に来たのか？ 突然の軍艦の来航を受けて須崎では何がおきたのか解説します。
◆ 関連イベント
砲台跡を見学する砲台めぐりを行います。
内容：現存する「土佐藩砲台跡」(西砲台跡)と、同時期に竣工した「中砲台」・「東砲台」跡地をめぐります。須崎の旧市街地を町歩きしながら砲台跡をめぐり、砲台の構造や歴史を探ります。
土佐藩砲台跡（西浜公園）
イベント名：須崎砲台跡めぐり
開催日：2023年9月24日(日)
集合時間：13:00 15:00頃まで
参加料：1,000円
龍馬パスポート：体験プログラム対象
申込期間：～9月14日（木）まで（先着10名さま）
※こちらもお問合せや、当日の集合場所はすさきまちかどギャラリーとなります。
須崎砲台跡めぐり2023/9/24
◆ 関連イベント
高知城歴史博物館の出張講座を行います。
講師：渡部 淳（高知県立高知城歴史博物館館長）
内容：本講座では、土佐藩の水軍と海防の問題をとりあげて、「海＝漁業」とは異なる海の世界をご紹介します。
※詳細は添付の資料をご参照ください。
イベント名：高知城歴史博物館出張講座「土佐の海～水軍と海防～」
開催日時：令和5年9月24日(日)10：00～11：30（開場9:30）
開催場所：須崎市立須崎公民館大会議室（交流ひろばすさき）
高知県須崎市南古市町 6-3
定 員：20名（事前申し込み制、先着順）
参加費：無料
主 催：高知県立高知城歷史博物館
共 催：須崎市
申込先：高知県立高知城歴史博物館地域企画課
電話・FAX・はがきにて受付
〒780-0842 高知県高知市追手筋 2-7-5
電話 088-871-1629
FAX 088-871-1619
高知城歴史博物館出張講座「土佐の海～水軍と海防～」2023/9/24
展覧会名：築造160周年 須崎市「国史跡土佐藩砲台跡」展
会期：2023年9月15日(金)～10月1日(日) ※休館日は19日（火）と25日（月）
開館時間：9:00～17:00
主催者：すさきまちかどギャラリー／旧三浦邸
築造160周年 須崎市「国史跡土佐藩砲台跡」展準備委員会
会場：すさきまちかどギャラリー／旧三浦邸（高知県須崎市青木町1-16）
入場：無料
