左証(さしょう)
着古された服の中に個性を見る -肖像画の再解釈-
私は2017年チェコ共和国のチェスキークルムロフという街を訪問した。この街は領土問題や財政難などの複雑な背景から建築物に騙し絵の技法を多用した装飾が特徴の、徒歩30分で一周できる小さな街である。街の中心には小さな城があり、この城も例にもれず平たい壁に騙し絵でレンガが描かれていた。視覚が騙し絵の装飾に慣れてきた頃、私は城中で違和感を感じていた。 飾られている肖像画に違和感を感じたのだ。城内にある肖像画は私の常識通りのものであった。この街では多くの物に騙し絵の装飾がされているにもかかわらず、肖像画はそうではない。このことが違和感となり私の中に残った。
私は2020年に須崎市に帰郷し現在商店街で衣類店を営んでいる。 偶然にも現在チェコと須崎市はスポーツや文化を通して交流をしている。
チェコで感じた肖像画の違和感を須崎で咀嚼することで作品にどんな意味を持たせられるか向き合ってみた。
割符の左券の意からできた言葉『左証』、開通100周年を迎えた土讃線発祥の地須崎へのリスペクトを込めこのタイトルとした。
左証(さしょう) 着古された服の中に個性を見る -肖像画の再解釈-
会期:2024年12月28日(土)~2025.1.13(日)9:00~17:00
(2024年12月29日(日)~2025年1月3日(金)、2025年1月6日(月)は休館日)
会場:すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸
入場料:無料
お問い合わせ:050-7119-9417(林)