「現代地方譚」はさまざまなジャンルの表現者が地域に滞在し、リサーチや作品制作を行う取り組みです。
2014年から現代美術を中心にアーティストの招聘と発表を行い、2018年以降は美術の垣根を越え、音楽家や演劇人も招いた創作を行っています。
本展の今期テーマ『郷と土のはなし』
「地球が、土が変わってきたことがわかる。」日曜市で親しくなったおばあちゃんとの些細な会話の中で出てきた一言。
土ははじめから土ではないそうです。
岩石の風化で出来る「粘土」と、落葉などが微生物によって分解され出来た腐葉土がさらに時間をかけ変質した「腐植」とが合わさる、地球上にしか存在しない特別な条件が揃って初めて肥沃な土壌が生まれる。
厚さ1センチメートルの土が出来るまで、100年かかるとも言う。その土を生成するために「微生物だけが知っている複雑なレシピ」は現在の科学技術でも解明できていない(1)
身の周りのモノはぐんぐんと速度をあげて便利になり、わたしたちはどんどん刹那的、衝動的になっていきます。それでも新たな生命が生まれている。未来は続いていきます。取りこぼしてもおかしくなかった本企画のテーマを作った小さな声。
郷と土のはなしを手掛かりに、足元や周囲を観察して、わたしたちの物理的な、精神的な現在地を知り、そこから少し揺れてみたり、視点をずらしてみたりする試みになればと思います。
«参考文献»
(1)藤井一至、土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて、2018、光文社、224P
アーティスト・イン・レジデンス須崎 滞在作家による成果発表展示
アーティストの視点を手掛かりに、物語を紡ぐように《いま》の地域の在りようを皆で語り合い、将来を想像しようという趣旨で始まったアーティスト・イン・レジデンス須崎」。
2023年秋から冬にかけて須崎を訪れリサーチを行ったのは美術家、音楽家、劇作家など、それぞれが主軸となる活動で実績を蓄えながら、その領域を越えた活動を見せるアーティストたちです。各人が各様に捉えた「須崎」が提示されます。
展示作家
諫山 元貴(いさやま げんき)
岩谷 雪子(いわたに ゆきこ)
oono yuuki(おおの ゆうき)
是恒 さくら(これつね さくら)
阪上 洋光(さかうえ ひろみつ)
展覧会期:2024年1月20日(土)~2月18日(日)10:00~17:00
月曜日休館
観覧無料
会場:すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸(須崎市青木町1-16)
2月3日(土)、17日(土)は20:00まで夜間開館
オープニングバル:1月20日(土)18:00~
会場:しんじょう君の倉庫(須崎市原町1丁目5)※キャッシュオン制、会場に駐車場はありません
展覧会の開催をアーティストや来場者、地域住民と祝い、交流します。
作品鑑賞会:2月18日(日)13:30~
主催者と共に作品を鑑賞します。作者の滞在時のエピソードを交えながら、各作品の成り立ちをご紹介します。
主催:すさき芸術のまちづくり実行委員会
共催:すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸、須崎市
問合せ:050-8803-8668(すさきまちかどギャリー/旧三浦邸)